海外戦略の本気を感じさせる店舗 「YAMADABEST AEONMALL DELTAMS店」

海外戦略の本気を感じさせる店舗 「YAMADABEST AEONMALL DELTAMS店」

ヤマダデンキは2024年3月22日、インドネシアの首都ジャカルタのデルタマスにインドネシア9番目の店舗である「YAMADABEST AEONMALL DELTAMAS店 (以下、ヤマダベストデルタマス店)」をオープンさせた。

立地はジャカルタの東南にある成長が期待できる新興エリアで、イオンが開発した「イオンモールデルタマス」に核店舗として出店している。イオンのモールは2核1本のモールでテナント数は約300店舗。トータル面積は20万平方メートルと巨大で駐車場は3,000台ある。インドネシアでは、ベスト電器がフランチャイズで店舗を展開していたが、フランチャイズ企業を買い取り2021年からYAMADABESTに屋号を変えて展開していた。

ヤマダベストデルタマス店の概要であるが、売り場面積は約1,500坪、商品はテレビ、冷蔵庫、洗濯機、調理家電、エアコン、パソコン、携帯電話、サプライとほとんど日本の品揃えと変わらず、さらに玩具、リフォーム関連商品も品揃えしている。

インドネシアの家電関係者から話を聞くと、このように売り場が大きく品揃えの充実した家電量販店はまだ国内にはないという。ちなみにインドネシアの人口は日本の二倍以上の2億7500万人、個人の月収は3万円前後と低く、家電市場は日本の6分の1程度と言われている。このような中で、ヤマダベストデルタマス店はヤマダHDの海外戦略の本気度が伝わってきたので紹介したい。

インドネシアNo.1の売り場面積

ヤマダベストデルタマス店の売り場面積は5,000㎡である。インドネシアの家電量販店の売り場面積は1500㎡前後が多く、ヤマダベストデルタマス店は標準的な売り場の3倍の面積がある。

インドネシアの家電市場は日本で言うところの地域家電店が圧倒的に強く、1世帯当たりの家電消費金額も少ないために大型の店舗は効率が悪い。ヤマダベストデルタマス店も、効率を考えたら1,500〜2,000㎡の売り場面積にした方が良いと考えられる。5,000㎡の売り場にした理由をヤマダベスト関係者に尋ねたが、現在の標準面積ではなく、5年先をイメージした店舗づくりを行いたかったとのことだ。

さらに、企業としての姿勢を示すために、インドネシアでナンバーワンの店舗を作りたかったという。この5,000㎡という売り場は、新しい店舗価値を生み出している。新しい店舗価値は、ショッピングモールの核店舗という価値である。筆者もいろいろなショッピングモールを見てきているが、家電量販店が核店舗となっているモールは少ない。このデルタマス地域において、ヤマダベストデルタマス店が核店舗として集客できるかは大きな試金石であり、これがうまくいくとインドネシアのモールからの出店依頼が増えるものと考えられる。

あえて現在の標準面積ではなく、5年後を見据えた店舗面積にしたところにヤマダHDの本気度が感じられる。

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様々な制約の中で単価アップを実現するには?セットステレオの事例から学ぶ

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単価アップが著しいセットステレオ ここ数年セットステレオの平均単価が上昇傾向している。2019年度に20,000円前後だった平均単価が、2023年度には20,000円台の半ば近くにまでなっている(※家電Biz調べ)。円安や部材などの原価高騰を背景とした物価上昇はどの分野でも見られるが、4年で平均単価が2割近くも上昇した家電製品は珍しい。 背景には通常の物価上昇の要因以外に、特にコロナ以降音質にこだわりを持つお客様が増えている事、そしてそれに伴いハイレゾ音源対応機器の需要が更に向上した事、ハイエンド商品への関心が高まっている事などがあると考えられる。こうした市場背景を活用してオーディオ専門店やターミナル立地の家電量販店は既に高単価なセットステレオの販売数を向上させている。 しかし一方郊外型の中小規模店舗はこの追い風を活かせていないところが多い。本記事では敢えて対象を中小規模の家電量販店に絞り、高単価なセットステレオを拡販する具体策について考えてみたい。 ちなみに本記事で述べる「セットステレオ」とは本体とスピーカーが分離しているオーディオ機器で、一般的に「ミニコンポ」あるいは単に「